第1章 誰にも言えない
悟「……安心して。今日は、無理に何かをするつもりはない。……ただ、」
彼は少し唇を噛み、それから熱を孕んだ声で続けた。
悟「君が望むなら、俺は……君を丁寧に、癒してあげたいと思ってる。」
その言葉に、めいの喉がかすかに鳴った。
顔を上げると、そこにはもう遊び半分の男ではなく真剣な目をした"男"がいた。
「……私、怖かった。でも……今は、触れてほしいって思ってる。」
その告白のような呟きに、五条はにっこりと笑って彼女の顎に指を添えた。
悟「じゃあ、ゆっくり始めようか。」
そのまま彼は彼女の唇に、優しく口づけを落とした。
触れるだけの軽いキス。
けれど、その柔らかな温もりに、めいの身体はびくりと震えた。
「……ふ、ぁ……。」
キスが深くなるにつれ、五条の手が彼女の背に回り軽く撫でるようにして抱き寄せる。
その指先は、優しさと色気を絶妙に纏っていた。
彼の舌が彼女の唇をなぞり、そっと差し入れられると、めいの心は熱に包まれていった。
悟「大丈夫……全部、俺に委ねて良い。」
五条はそう囁きながら、彼女をベッドへと誘った——。
ベッドの縁に腰かけためいは少しだけ頬を染めながら、目の前の男——
五条悟を見上げていた。
白いシャツの第1ボタンを外した彼はサングラスを外してベッドサイドに置き、彼女を見下ろす。
視線が合った瞬間、五条の瞳に映るのは、ただの"女"ではなかった。
助けを求める小動物のように怯えていたその目が今は淡く濡れ、男を欲する色を帯びていた。
悟「もっと楽になって。……何も考えなくて良いよ。俺のことだけ感じて。」
低く囁いたかと思えば彼は彼女の頬にキスを落とし、そのまま唇を滑らせるように首筋へ——。
めいは息を呑み、細い肩が跳ねる。
「ん……っ、……。」
耳たぶを甘く噛まれ、舌先で湿らされる。
その刺激に、彼女は喉の奥から抑えきれない声を漏らした。
五条の手はすでに彼女の太ももに触れ、スカートの上からなぞるように円を描いていた。
決して乱暴ではない。
それでも、彼の動きには女を“ほどく”技術と余裕が滲んでいる。
悟「キス、好き?」
「……わかんない、けど……。」