第1章 1
華奢な体にうっすらと明るくなった外の光があたり、薄暗い部屋の中で美しい曲線美が光っているような錯覚を覚える。
ちょっと…いつもより激し目に抱いた自覚はある。
仁王が全くその気がなかったことも知ってるし、 悠架も意識していなかった。が、面白くないものは面白くない。
本人はぽっちゃりしていると言っているが、世間一般的に男と女の身体の認識には大きなズレがある。出るところはでて、引き締まるところはしっかり細いこの体は本当に異性を惹きつける体だと思う。
悠架の頬に触れてその柔らかさを堪能する。フワッフワのマシュマロのような感触。
すっと首筋に指を滑らせて筋と骨を辿る。ここに無駄な肉はついておらず、スベスベの肌の感触。
そっと胸元に手をやって心地よい大きさと柔らかさを堪能する。くびれているくせに柔らかい弾力を持つ絶妙なウエストまで手を滑らせると、出し切っておとなしくなっていると思っていたところに熱が籠るのを感じた。
ちょっと理性が飛ぶとここをガッツリ掴んで己の欲を深く突き立てている。ちょうど 悠架のいいところに当たりやすいこともあるが、男の本能を容赦なく揺さぶってくる視覚的な誘惑がものすごいのだ。うっかり理性を手放すと、大抵次の日はベッドの住人になってしまう 悠架に、申し訳ないと思う気持ちと、どこかで満足している自分がいるのだ。
自分だけが触れてもいい、この極上の体に…いくらその気はないといえ…他の男が触れたということが…許せなかった。
肘の位置を治すためにこの華奢だが柔らかい腕に触れた。体の位置を直すためにこの腰に…よこしなま心なんてなかったのは知っているが、触れたのだ。
この細さを、柔らかを知っていいのは俺だけだ。
大人気ないと思いながらも、やはり気にくわなかった
「もう少し自覚して…無防備じゃなくなれば、お前も抱きつぶされる回数減るんだぞ?」
自分の責任を棚の上どころか場外に放り投げてそんなことを言ってみた。
聞こえたのか、無意識たわろうが、腕の中に擦り寄ってきたその体に愛しさを覚えて、また抱きたくなるような衝動を覚えた。
こいつは俺のもの。
俺だけのもので、誰にもやらない
幾度となく思う。
早く俺に縛りつける必要があるか…跡部は 悠架を抱きしめながら、空いた手で左手を握って…薬指を撫ぜた。