第1章 1
こいつは、いくら言っても名前呼びしないくせに、不意打ちに使ってくる。
それが自分の首を絞めていると言うことに気づいていないのだろうか…
涙でぐちゃぐちゃになった顔を拭いてやり、体をある程度清めやった。
今、俺の上でぐったりとしている
意識はだいぶ前に飛んでしまっているので、呼吸は穏やかだ。
中にまだ俺が入っとるが、抜く気になれない。
つい、ひどい抱き方をしてしまった。途中で泣かせてしまった。
「ごめんな。」
寝てる悠美には聞こえないだろうが、謝罪する。
ギュッと抱きしめると、寝ているはずの悠美がギュッと抱きついてきた。
「俺も悪いが…お前さんもそろそろ学習してくれんと…困るぜよ。」
ついうっかり?悠美の中で元気になってしまった堪え性のない自分に苦笑しながら歯を食いしばる。
続きは…悠美が起きてから…
次の日、起床と共に襲いかかられた悠美は一日プリプリしていた。
その頭の中を占めているのが自分であれば、怒ってても良い…と、壊れた思考をしている仁王には効いていなかったが…