第1章 1
結局4ゲームしっかり遊んだので、お店を出たのが夜中の2時になっていった。
いつの間に年越しをしていたのか…楽しくて、夢中で分からなかったわ…
お店の中でも、カウントダウン的なことはしていなかったし…
遅れて新年の挨拶をして、悠美と仁王さんと別れて景吾のお家に帰ってきた。
「景吾?なんか、怒っってる?」
「怒ってはないな。だが、分かってるな?」
帰ってきて、お風呂入って、眠くて眠くてベッドに潜り込んだ瞬間、俯きから仰向けに転がされてしまった。
目の前には景吾の御尊顔。
なんか、ちょっと目が…怖いように見えるのは…気のせい…?
「なんか…あったっけ…」
ぽそりと…心の声が外に漏れたのが、いけなかった。
一瞬で景吾の瞳が危ない炎を出した気がする。
「お前は、球に夢中だったからな?意識もしてねぇだろうが…こっちは面白くなかったんだぜ。あちこち触らせやがって、あん?」
いつもより低くて…無駄に甘い声が耳もとで聞こえる。
あ、これ、明日立てないやつ……?
確かに、教えてもらう時、肘の角度や、体の位置を直してもらうときに身体に軽く触れられたかもしれないが、全く嫌らしい分かり方ではなかったし、景吾の前だったから全くやましくもないし……普通に教えってもらってただけなのに……
「…反省してねぇな?」
「…………え?」
さらに一段階低くなった声に、本格的に危機感を覚え、無意識に逃げをうとうとした体が…秒で押さえつけられた。
あぁ…さよなら……明日の私の体力………
覚悟を決めて、ご機嫌麗しくない………珍しく嫉妬を露わにしている景吾を受け止めることにした。