第5章 ウンドウ
『…ハメられた……』
グラウンドに再度集合した私たちは結果、峰田くんと上鳴くんに見事ハメられたことを知り顔を曇らせた。
「イイなぁ…猫耳尻尾付きの渡橋なんか特に最高じゃねぇか!?」
「デフォルトであの萌えポイント付いてんの最高だよなぁ!」
『…聞こえてんだけど』
鼻息を荒くしているアホ2人にポンポンを投げつけると、それはそれで何か興奮させてしまったらしく床に寝そべりながら悶えている。そのまま悶えシネ。
いけないいけない。勝己じゃないんだからそんな物騒な言葉遣い…なんて思っていたらその物騒な言葉遣いのヤツが目の前に来た。
「何してんだオメェ」
『あの2人にハメられたの』
「…見えてんぞ」
『え?』
勝己に指されたのは胸元。胸元をヨイショと覗き込むとそこにはいくつもの真っ赤な印…
『……勝己のばかぁ!変態!あほ!エロがき!』
「うるっせぇ!テメェが隠さねえのが悪ぃンだろうがよ!」
『…ったく』
こんな姿でいるわけにもいかない。ヤオモモに少し寒気がするから、と言って羽織を作ってもらい羽織った。今度何かお礼のプレゼントでも送ろう。
『初戦…青山くんか……』
トーナメント表が発表された。私の第一試合は青山くんだ。あのネビルレーザーは近距離戦を得意とする私にとってはなかなか難関ではあるが、避け続ければそのうち彼は限界を迎えてお腹を下すだろう。そうなればもう私のモノだ。
なんとなくイメージはできたが油断は大敵だ。さっきまでの2戦で轟くんの氷をかち割っていた爪へのダメージがそこそこ大きいから試合まで爪を研いでおこう。
今からのレクリエーションの参加は自由だし。
今すぐに着替えるためにも私は会場を後にした。