第5章 ウンドウ
「芹奈ちゃん!お疲れやったね!」
『お茶子ちゃー!』
騎馬戦が終わり、お昼休憩に入った。1人で食堂に向かっているとお茶子ちゃんと飯田くんに遭遇しお茶子ちゃんに抱きつくように飛びついた。
「渡橋くん、ナイスプレーだったな!」
『そうかな…なんもできなかった気がして仕方ない』
私が勝己に選ばれたのは、轟くんの氷対策と、暴走した勝己の回収係だった。
障害物競走の時、私が轟くんの氷ですっころび、爪で氷をかち割るのを勝己が見ていたという。実際、競技中に轟くんに足元を凍らされた時に思いっきり爪を尖らせて割ることはできた。
そして勝己が暴走して私たち騎馬から離れることも何度かあった。その度に瀬呂くんがテープを飛ばして戻したり、私が空を飛んで連れ戻した。
正直グレーゾーンな行為だったと思うけど、ミッドナイト先生とご好意で不問となった。
結果はもちろん、健闘して最終競技へコマを進めることができた。
『飯田くんもすごかったよ、遠目でしか見れなかったけどさ、すっごい勢いで走ってたじゃん』
「まぁ僕にできることと言えば限られてくるからな」
『お茶子ちゃんも!すごい高く飛んでたよね、上限また上がった?』
「あ、あれはサポート科の発目明ちゃんっていう子の作ったアイテムのおかげやねん!私はみんなの体重軽くしただけで…」
なんて話しているとあっという間に食堂へ到着しご飯を持って席へ。
時間もまだまだあるしーなんて思いながらのんびりご飯を食べているとヤオモモと耳郎ちゃんに呼ばれ、急いで更衣室へ向かった。