第5章 ウンドウ
「何今更照れてやがんだ?あ?そろそろ見慣れてんだろ」
急いで扉を閉めたつもりだったが当然この男の瞬発力に叶うはずもなく扉の内側に閉じ込められた。
『い、いや…あの、今日は、もう、疲れたから…もう寝るから、』
掴まれた腕を解こうとしても当たり前のように外れない。もがいても無駄だと諦める頃には鼻先が触れ合ってしまうほどに体も顔も近づいていた。
「テメェ、課題は体力作りっつってたろ」
『そ、そうだから、もう疲れたから、寝るっ!』
「俺が体力作り手伝ってやんよ」
勝己のニヤリと笑う顔が見えたと思ったらすぐに唇は塞がれ、唇の侵入を許してしまった。
『ん…‥や…か‥つ、き‥んぅ…』
胸板を押すもびくともしないどころか、自分自身の手に力が入らない。日中の訓練で体力を使い果たした私に、この男から逃げる術などない。
『ぁあっ…かっ……』
スウェット越しに割れ目をなぞられ体がビクッと反応してしまう。
「気絶すんじゃねぇぞ」
唇が離れた途端にいつものように横抱きされ、いつものように私の部屋へ向かった。