第4章 セナカ
「ということらしわ」
目が覚め何があったんだが分からずにいたけど、梅雨ちゃんが大まかな説明をしてくれた。
飯田くんがオールマイト達先生を呼びに行って駆けつけてくれたけど敵の主犯格は取り逃がしたこと、相澤先生や13号先生、出久は重症で運ばれて行ったこと。
そして、私の様子がおかしかったこと。
『…そっか…尾白くんごめん!迷惑かけて‥怪我は!?』
「大丈夫だよ、渡橋さんこそ、怪我は?」
『うん、とりあえず痛いところはないよ…』
怪我はないか腕や足を覗いてみようとすると、眼下に見慣れた白いトゲトゲ頭があることを思い出した。
『っちょ!爆豪くん下ろして!』
「ぁあ!?テメェから勝手に乗ってきやがったんだろうが!」
『記憶ないもん!とにかく離して!』
渾身の力で暴れようとするが爆豪の力には叶わずただ手足をばたつかせて終わった。
「それで、芹奈ちゃん、さっき言った凶暴化?の心当たりある?」
『いや…わからない…記憶がなくて、今までもこんなことなかったし、』
「爆豪はなんか心当たりないのか?お前に名前呼ばれて大人しくなってたろ?」
「知らねぇ」
『…じゃあ、何か敵の個性で…』
「考えたってテメェに心当たりねぇんじゃ無駄だろ、後でババァんとこ行って話でもしてこいや」
『まぁ…そうだね…わかったから、爆豪くん離しておくれ』
先ほど暴れても無駄だとわかったが、おぶられながらクラスメイトと話をするのはなかなかに恥ずかしい。
「テメェがもう2度と暴れねぇように1番近いとこで見張ってやってんじゃねぇか!?ありがたがれ!」
「なんて言って、爆豪ちゃん、芹奈ちゃんにくっついていたいんじゃないかしら」
「あぁ!?」
「確かに…その体制、渡橋のデカパイがっつり背中くっついてるもんなぁ…羨ましいぜ」
「テメェと一緒にすんじゃねぇ!殺るぞ!?」
結局、警察、先生たちから解散と言われるまで私は勝己の背中にくっついていた。