第4章 セナカ
「あれはっ!」
凶暴化した芹奈から逃げ5分ほど経過した頃、突然爆音と共に天井に穴が開き何かが飛んでいった。それをオールマイトら教師陣の到着、敵への反撃と判断した尾白は火災エリアを飛び出し音の鳴る方へ向かった。
「みんな!」
「尾白くん!無事だったか!」
プロヒーローである教師陣が到着し主犯格の敵を逃した後、生徒らの安否確認と残った雑魚敵の始末へ教師陣が走り始めた。生徒たちは一旦一箇所へ集められていたところに遠くから険しい表情で走ってくる尾白が見え、生徒らの視線はそちらへ向いた。
「なんか、大丈夫なさそうじゃねぇか!?」
『にぃいいいっ!!!』
「芹奈ちゃん!?一体どうしたん!?」
「わからない!敵と戦ってたと思ったら、気がついたら…」
身軽な尾白がいち早くクラスメイトの元へ着くと、息を整える間もなく凶暴化した芹奈がその固まりの前へ着地し威嚇を始める。
「芹奈ちゃん、様子がおかしいわね、敵の個性の仕業かしら」
「わからない、でも周りにいた敵たちは全員伸びてたんだ」
「あ?テメェんなとこで何してやがる」
教師と話をして戻ってきた爆豪が様子の変わった芹奈を見て険しい表情をする。
「爆豪!渡橋の様子が変なんだ!なんか知らねぇか!?」
『にぃぃやあぁあああ!!』
爆豪へ大声で話しかけた切島へ芹奈が飛びかかろうとしたのを見て、爆豪はより一層表情を険しくさせ彼女の名前を呼んだ。
「ぁあ!?おい!芹奈!」
『……!?にゃーっ!』
すると芹奈はすぐさま体の向きをかえ、今にも音符が飛び出そうな様子で爆豪の元へ駆け出し背中へ飛び乗り眠りについた。
「「「「は?」」」」
この一連の流れを見ていたものは皆、口を開け呆然としていた。