第4章 セナカ
「いた… 渡橋さん、大丈夫?」
『うん、着地は得意だから…ここ…』
USJに着きさぁ授業開始と思ったら黒い霧が現れて敵がゾロゾロと湧いてきた。と思ったら私たちまでも黒い霧に包まれて私は尾白くんと一緒に火災エリアに飛ばされた。
「炎…だね」
『っ敵をあちこちに置いて私たちを適当にボコろうって算段なのか…』
建物の影から敵たちがこちらを狙っている。炎に包まれても平気そう、ということは炎に対して免疫のある個性持ちか。
「えぇ!?渡橋さん、めっちゃ震えてるけど大丈夫!?」
『わ、私…炎苦手で…』
寒いのも苦手だが何より炎が苦手だ。家のコンロはもちろんIH。
昔何かトラウマになる経験があるわけでもない。母も炎が苦手だったらしいし、これはきっと猫個性持ちの宿命…
『上に逃げようにも、上まで火の手が回ってるし、敵も多い…まずはあいつらを片付ける方が早いかも…』
「そうだね、こっちは任せて」
『うん!』
確か尾白くんも近距離派だ。私たちは背を合わせそれぞれの方向へ走り出した。