第4章 セナカ
『ん……?』
熱い熱い視線の元を辿ると、峰田くんが目を血走らせ私の体を舐め回すように見ていた。
「良いよなぁ…絶対渡橋は人気でるぜ…顔面だけでも強ぇのに猫耳と尻尾つきだぜ…?この年であのボンッキュッボンッだぜ?卒業する頃にはとんでもねぇグラマラスボディに仕上がってんじゃねぇのか?プロヒーローデビューしたらすぐに写真集出すよなぁ…渡橋芹奈のセミヌード写真集…」
アノ授業の日から彼の視線が何かとヤラシイことには気づいている。とんでもない変態なのは知っているが、まぁ彼も腐ってもヒーロー志望だ。そんなに軽蔑していないし警戒もしていない。
自分がエロく見られるのはもう十分理解しているし、今はあの痴漢を受けた時よりも自分を守れる自信がある。
それに、彼が暴走仕掛けたときはクラスメイトたちが仕留めてくれる。
現に今彼は四方八方からそれぞれの仕方で仕留められている。
私はこのクラスで安心して笑っていられる。
なんなら、私が1番このクラスで警戒しているのは斜め前の席に座っている幼馴染の彼だ。