第2章 カラダ
「ごめん、極力、かっちゃんとは喧嘩しないようにするよ。かっちゃん次第だけど…」
『うん…そうだよね、勝己次第なトコ大きいよねっごめん、泣いちゃって…』
「い、いやっそんなっ…実際、渡橋さんに悲しい想いさせてたことに変わりはないから…」
『ねぇ出久』
「な、なに?」
教室の目の前の階段でずずっと鼻をすすった。ずっと泣いてばっかじゃダメだ。私はヒーローになるんだから。オールマイトみたいな、かっこよくて、笑顔で人を助けるヒーローに。
『私のこと、名前で呼んでよ』
「へぇえええ!?」
出久の顔がボフッと効果音付きで一気に茹で上がった。そんな変なこと言ったか私?
「そ、そ、そそそそそんな、恐れ多いよ…」
『えーだって勝己のことはかっちゃんって呼んでるじゃん』
「そ、それは…だって…かっちゃんは幼馴染だし…」
『私は、幼馴染じゃない…?』
「い、いやっそんな、も、もちろんっ!大切な、おさ、おさ、幼馴染…だよ…」
『私のこと、嫌い…?』
「えっ!あっ!ちょっ!そんなことっ!ないから!」
少し意地悪して泣く前をしてみると逆にこっちが引くくらい焦っている出久。
可愛い。ちょっと意地悪したくなる気持ちがわかる。勝己まではいかないけど。