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[ヒロアカ]爆豪くん、離しておくれ-爆豪勝己-

第2章 カラダ



パキッ



「誰だっ!」



かっちゃんの背中を見送りながらオールマイトと話をしていたら背後の木陰から枝が折れる音がした。先ほどまでとはトーンの変わったオールマイトの声が響いた。



にゃ、にゃーお…



「なんだ猫か」



木陰から見えるあの3色の尻尾。あれは、猫。だけど、猫じゃない…



「も、もしかして渡橋さん…?」



「と、渡橋少女!?」



数秒沈黙が流れた後、木陰から見慣れた華奢な体が現れた。



『あ、いや、盗み聞きするつもりは…ごめんなさい!』



ばさっと勢いよく頭を下げた渡橋さんに対して冷や汗を流す僕とオールマイト



「渡橋少女。どこから話を…?」



『…僕の個性は人から授かったものなんだ!…から』



めっちゃ序盤だ…!!!!!



「…渡橋少女。このことは他言無用で頼むよ。緑谷少年の個性が私から譲渡されたものであることは、人に知れたら何かと混乱を招く。どうか、この通りだ」



オールマイトが頭を下げたのを見て慌てて僕も頭を下げる。けど、渡橋さんから小さな悲鳴が聞こえた。



『えっ出久の個性、って、え、オールマイトの…!?なんですか!?』



「「え?」」



『いや、あの、話聞いてたの序盤だけで、ちょっと、考え事してて…
気づいたらオールマイトが出久と話しててびっくりして枝踏んじゃって…ごめんなさい…』



呆然としながらオールマイトの顔を見上げると、やってしまった…って顔をしてる。



「…いや、少女が謝ることではない。とにかく、さっきも言ったけどこのことは他言無用で頼むよ」



『はい。わかりました』



渡橋さんのまっすぐな瞳を見て安心したのかオールマイトは職員室へ戻って行った。
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