第1章 カンケイ
「それでそれで、あの2人とはどんな関係?」
入学式直後、個性把握テストで全力を出し切った私はクラスメイトとなった芦戸三奈ちゃんと葉隠透ちゃんと駅前のカフェでよろしくね女子会を開いていた。あの2人、というのは幼馴染である爆豪勝己と緑谷出久のことだろう。個性把握テストで出久にちょっかいをかけそうになった勝己を身を呈して止めたので気になったんだろう。何かと今日は目立ってたからな。あの2人は。
『幼馴染だよ。勝己とは家が隣同士でね、親同士も仲が良かったから生まれた時から仲良くしてて…それから小学校中学校でも勝己と出久と同じでさ、ま、腐れ縁的な』
「へー爆豪くんとはなんか、熟年夫婦みたいな空気感出てたからてっきり付き合ってると思ったなー!」
『っ!?ゴホっ…んん…ないない!絶対あり得ない!』
葉隠ちゃんのあり得ない発言に驚き、飲んでいたアイスティーが気管に入りむせる。いきなりなんてことを言い出すんだこの子は。顔こそ見えはしないが、可愛い顔をして恐ろしいことを言ってくる。
『っ絶対ありえない。あんな暴君。私のタイプは、ほら、担任の相澤先生!あんな人が好きだなぁ。かっこいいし!』
「そぉー?結構お似合いだと思ったよ!なんなら1-Aみんな付き合ってるって勘違いしてると思うよ」
『ないない。絶対ない。アイツとはほんと、犬と猫って感じで。ギャンギャン吠える狂犬に猫の私が爪立ててる感じさ。』
「確かに、芹奈ちゃん猫だもんねぇ可愛い!」
三奈ちゃんに耳をぴよぴよ触られる。そして反対方向から葉隠ちゃんに尻尾をツンツンされる。
そう。私の個性は猫なのだ。