第13章 ヒーロー
『はぁーー…ただいま!』
「おかえり。体調は大丈夫か?休むか?」
『んーちょっと熱ってるかも…あ、でもお腹減ったな』
目が覚めてから刑事さんと話をしたり、異常がないか検査をしたりであっという間に退院の日を迎えた。
折れていた足首もリカバリーガールのおかげで完治していて他に目立った外傷はない。ただ、捉えられていたあの期間中まともに食事も水分補給もしていなかったからなかなかの脱水にあったらしく、退院直前まで点滴は外れなかった。
マタタビについても、健康に支障のある症状はないためそのまま様子見。
昼飯の材料買ってくるな、と言って出て行った父を見送り私は自分の部屋へ向かった。
『なんか…久しぶりだ…』
部屋に入りベッドへ倒れるといつもの柔らかさと匂いに安心する。少し、眠気が襲ってくる。
『ふぁ……』
少し昼寝でもするか、と欠伸をして瞳を閉じた
ドンドンドンドンッ
『!?!?』
何者かが外から窓を叩く騒音で昼寝は中断された。