第13章 ヒーロー
『………ん……』
「起きたか、渡橋」
目の前は真っ白な天井と、真っ白な壁紙。医療器具。
そして、真っ黒な
『相澤先生…?おはようございます…』
「夕方だ。どこか痛いとこはないか」
『痛いとこ…あ、足首…』
布団をめくって醜い色に変色した足首を見ようとすると、足首は包帯でぐるぐる巻きに。
「検査やら応急処置やら終わったころにばあさんが来て、治してったよ」
『はぁ……えっと、』
「悪かった」
『!?え、いや、なんで、』
「林間合宿中に敵に誘拐。監督責任者である俺の責任だろう」
そんな風に謝る相澤先生の顔は暗い。そりゃあそうだろう。USJ事件に続いてこんな事件…事件、?
『そういえば、あの後どうなったんですか?』
「あぁ…そうだな。緑谷の話だとお前は倒れたマスキュラーの見張りをしていて敵に捕まったんだったな」
『はい。その時、出久が勝己が狙われてるって』
「結論から言うと、爆豪は敵に捕まったよ。あいつも今頃警察で事情聴取だろうな」
『捕まった…』
「怪我はない。オールマイトを始めとするヒーローで奇襲をかけた。
敵連合を名乗る奴らの実行役のほとんどを逃してしまった。そして、」
その後相澤先生に見せてもらったネットニュースであらかたの流れは理解した。
ワンフォーオールを捕まえた。しかし、平和の象徴であるオールマイトはもう戦闘不能。
最後に見かけた記事のオールマイトのセリフ「次はきみだ」は出久に向けたものだろう。
「この後警察が事情聴取に来ると思う。俺も同席するが、しんどかったら遠慮なく言ってくれ」
『はい。ありがとうございます』
「時間はまだある。顔色も良くない。寝てろ」
病室から立ち去る相澤先生を見送り、ぼーっとしていたらあっという間に夢の中へ引き摺り込まれていた。