第12章 ヘヤ
「猫の女はまたたびが媚薬なんだってな?便利な体だよな」
『っっぁあっ!』
男は芹奈の口元へまたたびを染み込ませたタオルを押し当て頭の後ろで固定した。先程まで暴れていた芹奈だったが、呼吸をすることで体内にマタタビが入り込むのを恐れ暴れるのをやめた。
芹奈が大人しくなっのを良いことに男は芹奈が身につけていたTシャツを捲り上げ、キツく体を縛り付けていた運動用の下着を燃やし上半身をあらわにした。
「ガキのくせにデケェ胸してんなぁ。もう勃ってんぞ」
『ぁあああっ!』
敏感になったその頂を二つ同時に指で摘むと背中が反り身体がビクンと跳ねた。
「もうマタタビが回ったのか?とんだ変態ヒーローだな」
『っ……』
芹奈は大きく見開かれた瞳にたっぷりの涙をためながら男を睨みつけた。既に体はマタタビに侵されている。体中が熱く痺れ、男が触れるたびに体が歓喜の悲鳴を上げる。
決して、気持ちがいいなどは思わなかったが、体は素直な反応を示していた。
「わかったか。早く俺に服従するのが吉だぜ。なぁ渡橋芹奈」
『っはぁっ!』
男が乱雑に片手で胸を揉みしだきながらもう片方の手で口を塞いでいたタオルを取った。
一応は息を潜めていたらしく芹奈の息が乱れる。が、体はすでに犯されている。
『誰がっ!お前なんかにっっーーーっ』
男の手は芹奈の細い首に周りキツく締め付ける。
ニヤリと不敵な笑みをこぼしたかと思えば芹奈の口が塞がれた。
『んんっ……ん、っはぁっ』
「ふっ……」
唇同士が触れ合ったかと思えば首に回していた手が離れた。息を吸おうと勝手に口が開き男の舌の侵入を許した。
『はぁっ…ゃっ…ん、あっ…』
目を開くと男と至近距離で見つめ合う形になるのが嫌で目をグッとつぶった。目尻からは涙がこぼれ、唇の端からは互いの唾液が混ざった汁が溢れる。
暴れようと思ってもマタタビのおかげで思うように動かない。意識は拒絶していても、体が勝手に男からの刺激を求めていた。