第11章 オトマリ
『あの、私たちの関係って…何、?』
「なんだ、今更」
『うぐっ…やべべ』
なかなかに緊張して聞いた質問だったが、見下されほっぺたを潰されている。
「お前は俺の女だ。何回言ったらわかんだクソネコ」
『っその、俺の女だって、いうのはさ、あの、つ、付き合ってるって認識…なの?』
「あ゛?」
『っ、私たち、付き合ってる、の?』
多分今の私の顔は真っ赤なんだろう。真っ赤な顔で、至って真面目な顔で聞き返した。
すると、不機嫌に戻った勝己に肩を押され、呆気なく廊下に押し倒された。
「んだよ。俺はお前のセフレか?テメェの本命は半分野郎か?」
『ちがっ、私の本命、』
「誰にでもこの股開いてんだろ?俺以外にも男いんだろ、お前は」
『勝己、っ』
「………クソがよ」
なんで、私は何も言えなかったんだろう。
男子部屋へ戻っていく勝己の背中はいつも通り逞しいけど、いつもより寂しそうで。
私はただ、今の関係を言葉に表して欲しかった。
何が、勝己の癇癪に触れたんだろう。