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[ヒロアカ]爆豪くん、離しておくれ-爆豪勝己-

第11章 オトマリ






ガコッ



『はぁ………』



薄暗い廊下で光を放つ自販機の取り出し口からいちごオレを取り出す。ストローを飲み口へ差し込み思いっきり吸うと口の中が甘ったるくなる。



最近、考えることがある。



私は、勝己の何で、勝己は私にとって、何か。



告白されたことはないし、した覚えもない。
ただの幼馴染だった。ずっと隣にいて、隣にいることを不思議にも思わなかった。それくらい当たり前の存在だった。


ただの、幼馴染。




だった。





あの日を境に体の関係を持つようになった。当然のようにお互いに体を求め合った。


最近の勝己は、いや、前から荒っぽい性格だったけど、最近はさらに荒れてる気がする。険しい顔で激しく抱かれて、終わった後には少しスッキリした顔をしてるけど、多分心のモヤは晴れてないよな気がする。





私たちの関係は、なんなんだろう。

ただの、体を重ねるだけの、関係。






「んなモン飲んでると太るぞ。ネコ」



聞き覚えのある声と、コイツにしか呼ばれない呼び名に振り返ると奴が。



『うるさいな』



「何してんだ。こんな時間に。さっさと寝ろボケ」



『そういう勝己こそ。何してんのさ』



「テメェがいる気配がした」



『敏感すぎでしょうが…』





ポケットに手を突っ込んだままこっちを睨みつけてくる勝己。
その視線に耐えきれず下を向きながらいちごオレを吸い続ける私。

音は何もない。




『……っ!?』



突然こちらに近づいてきて、何だと思いストローから口を離し顔を上げるとそのまま顔を掴まれ唇同士がくっついた。



『んっ…ゃ……はっ…』



腰にも腕を回され身動きが取れず、抗えない。胸板を押したって無駄なことはわかっている。いつもの、激しくて気持ちの良いキスに、いつものように声を出してしまわないようなんとか必死で抑えた。



「甘ったりぃな」



やっと離れたかと思うと矢継ぎ早に文句を吐かれる。当たり前だろう甘いの飲んでたんだから



『ね、勝己、』



「あ?」



いまだに腰を抱かれ0距離状態で目と目が合う。
鼓動が高鳴っているのがバレてしまいそうだけど、今聞かなきゃ寝付きが悪い。
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