第11章 オトマリ
『はぁぁぁぁぁぁぁお布団…さいこー………』
2日目が終了し、夜。布団の中に入るとすぐさま眠気に襲われた。
今日は朝から個性強化訓練。
私は空中での走りこみと岩場をひたすら爪で削る訓練。
だいぶしんどかった。ボロボロになった爪を新調するのに結構体力を使う。
それが1番しんどかったかもしれない。
「芹奈ちゃ、恋バナしヨォ!!」
『寝かせて、くれっ…』
「だってだって!合宿って言ったらみんなで恋バナするのが定番でしょ!?私やりたかったの!」
ルームメイトの葉隠ちゃん。男子は大部屋らしいけど、女子は3人ずつの個室になっている。私と葉隠ちゃん、そして期末試験の補習に連れ出されている現在不在の三奈ちゃんの3人部屋だ。
『疲れたから…もう寝たいよぉ…』
「昨日も同じこと言ってたでしょ!ねぇ恋バナしようよぉ!!」
『うーーわかったから、いいよ、話して』
葉隠ちゃんは多分、1番乙女なんだろうな。ガーリーというか、はつらつな年相応の女の子というか…
「で!芹奈ちゃんはいつ卒業したの!」
『…私の知ってる恋バナじゃない……』
「ねぇねぇいついつ??」
『……今年、』
「高校入ってからってこと!?」
『んー……そうかもね』
「どんな感じで??」
葉隠ちゃんの表情こそは見えなが、きっとキラキラな視線を飛ばしているんだろうな。声色でわかる。
「じゃあ、経験人数は?爆豪くんの1人だけ??」
『……っ』
この先は言いたくない。というかこれ以上話してしまったら相澤先生とシたことまでバレてしまいそうなので、黙秘を貫くべく布団から飛び出し自販機へ向かった。