第6章 『 誓い 』
コツを、完全に掴んだと思う。
それは突然だった。
けれど、確かだった。
守ろうとしない。
戻そうともしない。
ただ――刀が“在る”ことを、否定しない。
それだけで、霊力は、正しく巡る。
その日から、審神者は決めた。
一日、三振までと決めた。
無理は承知だった。
それでも、それ以上の無理はしないと決めた。
焦らない。
部屋に並べられた順に、必ず、向き合う。
刀帳記録と書かれたノートを長谷部さんから借りると、私は一人部屋に籠り誰にも邪魔されないように周りへ釘をさした。
なのでここからは一人のびのびと取り組む。
まず初日、一日目。
最初に手を伸ばしたのは――一文字則宗さんという刀。
年輪を感じる刀身が、静かに応える。
「……ふむ」
落ち着いた声と共に、刃が完全に本来の形へ戻る。
その隣で人の形を得た姿は、まさに彫刻のように美しい顔をしていた。
まだ完全に体力は戻っていないようだったのでとりあえず三色団子を渡し、部屋から出ず休憩してもらう事に。
続いて、歌仙兼定さん。
美を重んじる刃文が、息を吹き返す。
「……風雅だね」
この方もイケメンときた。
刀剣男士というのはみんな顔がいいんだなと感じた。
最後は、岩融さん。
薙刀が、大きく、確かな存在感を取り戻す。
「主よ……世話になった、すまんな」
一日目は、静かに、終わった。
この方にも三色団子を渡しておいた。
次の日、二日目。
最初は髭切さん。
軽やかに、だが確実に。
持ち手部分が黒いと感じたのに本来の姿へ戻ると黒はどこかへ消えていた。
「ほう……今度の主は、面白いねぇ」
目覚めて開口一番、既に楽しそうな人だった。
次は、御手杵さん。
長い槍が、再び戦場の重みを宿す。
「……戻れた、か」
長さもあり時間がかかってしまう。
それでも完璧に元に戻ると、心がほっとした。
最後は、鬼丸国綱さん。
張り詰めた空気が、一瞬、緩む。
「……感謝するぞ、新しい主」
貫禄のある威圧。
恐怖は感じないにしても、驚きのあまり数分ほど固まってしまった。
この日は、部屋が賑やかになった。
初日同様に三色団子を1本づつ渡し疲労を回復させた。
食べたあと。
それぞれ雑魚寝で眠っていた。