第5章 『 私の力 』
五日。
数字にすれば、たったそれだけ。
けれど。
私にとっては、長く、重たい五日だった。
訓練。
失敗。
集中。
失敗。
霊力を集めれば、溢れる。
抑えれば、自分が削れる。
「……また、だ」
結界は、安定しない。
長谷部さんは何も言わない。
言わないからこそ、胸が痛くなった。
夜。
誰も来ない、倉の裏。
私は、壁に背を預けて、膝を抱えた。
声を、殺す。
息を、噛み殺す。
(泣くな)
(今は、泣く時間じゃない)
そう思うのに。
涙は、止まらなかった。
畳に、ぽつり、ぽつりと落ちる。
(……何が、ダメなんだ)
呼吸が、乱れる。
それでも。
私は、目を閉じて考えた。
力が強すぎる?
違う。
意識しすぎている?
多分、それも違う。
(……守ろうとしすぎてる?)
守る。
折らせない。
失わせない。
全部――“未来”を掴もうとしている。
今、ここにあるものを、ちゃんと見ていない。
「……ああ」
小さく、声が漏れる。
「私は…」