• テキストサイズ

【刀剣乱舞】満ち欠けに、鶴。

第2章 『 後任審神者 』


「……本当に、前任様から何を学んだんですか」

怒りは、ちゃんと表明しておく。
そうしないと、ここでは立っていられない気がした。

「審神者殿よ」

低く、男の声が落ちる。

「それは――聞き捨てならんな」

笑みが消え、空気が一変した。
鋭い視線が、真正面から突き刺さる。

けれど、私は逸らさなかった。

「では」

同じ温度で、言い返す。

「これからは、気をつけてください」

男の顔色が、はっきりと変わった。
大広間の空気が、ぎし、と音を立てる。

他の刀剣男士たちが、息を詰めるのがわかる。

――それでも。
私は勢いよく立ち上がり、そのまま襖へ向かった。

「……っ」

引き止める声が聞こえた気がしたが、構わない。
襖を開け、振り返らずに部屋を出る。

背中に突き刺さる視線を感じながら、私はただ、ひとつだけ思っていた。

(……やばい)

多分、今の、かなりやらかした。

そう気がつく頃には私の心臓は激しく脈を打ち、頬からは汗が滴り落ちた。
/ 108ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp