• テキストサイズ

【刀剣乱舞】満ち欠けに、鶴。

第10章 『 主と刀である前に 』


「僕は水心子と一緒の今がいいかな。変える理由も特にないし」
「ほう」
「むしろ、水心子が一人部屋になったら絶対また無理するだろうしね」

冗談めかして言うけれど、どこか本気だった。

私は二人の顔を交互に見て、少し考え込む。
刀装の問題も、部屋割りの問題も。

どちらも、今までなら「近侍に任せます」で済ませていたかもしれない。

でも今は――
「……提案があります」

自然と、そんな言葉が口から出た。

「此処で私を含め三人だけで決めるではなく、ちゃんと皆さんのの意見も聞くと言うのは……?」

源頼朝が、少し意外そうに目を瞬かせる。

「全員?」
「はい、全員です。部屋のことも、装備のことも。使用も住むのも皆さんなんですから。ね?」

一文字則宗は、わずかに目を細めた。

「……なるほど。主らしい判断だ」
「え、そう?」
「“管理する”のではなく、“一緒に決める”。それは、意外とできる審神者が少ない」

そう言われて、少しだけ胸が熱くなった。

「だって……」

私は小さく笑って、続けた。

「もう、この本丸は“私一人のもの”ではないですから」


二人はほんの一瞬、言葉を失った。

その沈黙がこの本丸が“本当に一つの居場所になり始めている”証みたいで、私は少しだけ誇らしい気持ちになった。
/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp