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【刀剣乱舞】満ち欠けに、鶴。

第9章 『 小さな葛藤 』


陸奥守吉行は、薬研藤四郎のいる医務室へと運ばれていった。

意識はある。
会話もできる。

だが長時間“外から操作されていた”影響で、霊力の流れがひどく乱れている。

「しばらく安静だな」

薬研は淡々と言い切った。
肥前忠広にも、強制的に休暇が与えられた。

「……嫌だ」

と渋る声を無視して、一期一振と燭台切に半ば担がれる形で部屋へ。

「今は主の命令だ。逆らうな、肥前」

その言葉だけは素直に従った。
残った刀剣男士たちは全員、大広間へ。
主は、中央に立ち起きたことを、できるだけ簡潔に話した。

・陸奥守は前任の審神者の怨念に操られていたこと
・その怨念は完全に消滅したこと
・本丸全体への侵食も、もうないこと

刀たちは驚き、怒り、不安、戸惑い――様々な感情を浮かべながらも最後まで黙って聞いていた。
三日月が場を締める。

「今後、同様の兆候があれば、即座に報告を」
「主は、もう一人で抱えるな」

主は小さく頷いた。

「……はい」

それで話し合いは終わった。
一振また一振と、大広間から刀たちが去っていく。

気づけば、足音は消え広い空間に残ったのは――主だけだった。
張り詰めていたものが一気に切れる。

「……はぁ……」

膝が自然と折れた。
畳に座り込み手のひらを見つめる。

さっきまで確かに触れていた。
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