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転生したら呪術廻戦の世界でした

第11章 愛される呪い


悠「おーい! みみー! 遅いぞー!」

朝の光が差し込む高専の玄関前。

虎杖悠仁が笑いながら手を振ってくる。

その横には退屈そうに頬杖をつく釘崎野薔薇と、いつものように無表情な伏黒恵の姿。

まるで、時間が巻き戻ったような光景だった。

「ごめん、待たせた……。」

みみは小さく手を挙げて3人の元へ駆け寄った。

制服の裾を風が揺らし、背中のリュックが微かに揺れる。

久しぶりの任務――

悠「よっ! 元気だったか?」

悠仁がにかっと笑ってハイタッチを求めてきた。

手を合わせると、変わらない温かさが掌に伝わる。

恵「久しぶりだな」

と伏黒がぼそりと呟く。

野「こっちはさ、アンタが部屋に引きこもってる間も、結構色々あったんだからね?」

釘崎がそう言いながら、みみの肩を小突いてくる。

きつめの言い方のわりに、その眼差しは優しく、どこか安心しているようだった。

「……みんな、変わってないね。」

みみが呟くと、野薔薇がふっと微笑んだ。

野「そっちこそ。なんか、ちょっと雰囲気変わったじゃない。……色気? っていうか。」

「えっ、色気……?」

思わず頬が熱くなる。

野「いやいや、そういう意味じゃないって! いや、あるかもだけど、私的には元気そうで安心したって意味で!」

慌てて手を振る野薔薇と、それを黙って見ている恵。

そんな光景に、自然と口元が緩む。

“変わってない”。

そう思えただけで、胸の奥が少し軽くなった。

けれど同時に――

みみはこの数日で、あまりにも多くのものを抱えてしまっていた。

悟の執着と支配。

傑の優しさと欲望。

その両方に包まれながら、みみはどこかで自分を失いかけていた。

そんな心の揺らぎを隠すように、みみは笑って、みんなの輪に戻った。
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