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転生したら呪術廻戦の世界でした

第17章 彼女が消えた


甚「ようやく来られた。オマエのいる、この世界に。」

涙が止まらなかった。

彼に伝えたかった想い。

もう会えないと思っていた切なさ。

何年分もの感情が、一気にあふれ出す。

「……私……ほんとに、あなたのこと……。」

甚「知ってる。全部、聞いてたよ。」

甚爾は静かに抱き寄せてくれる。

かつてと同じ、大きな腕。

けれど前よりもずっと優しく、確かな力で。

喧騒の街中で、時間だけが止まったようだった。

みみは彼の胸に顔を埋めて、しがみついた。

涙がこぼれても彼は何も言わず、ただそっと背中を撫でてくれる。

甚「もう離れない。何があっても。……今度こそ、オマエをずっと傍に置く。」

「うん……うん……!」

誰も彼らを見ていなかった。

この世界に、ふたりだけが存在しているかのように――

どれほどの時間が経ったのか。

みみが顔を上げると、甚爾は少しだけ照れたように言った。

甚「なぁ、卵割れたな。飯、どうすんだ。」

その何気ない言葉に、笑いがこみ上げた。

「……また買いに行こ。2人分ね。」

甚「……そうだな。」

そして、ふたりは並んで歩き出す。

肩を寄せ合いながら、夕焼けの道を。

――やっと、手に入れた未来。

失っても諦めなければ、きっとまた辿り着ける。

たとえ世界が違っても、命が途切れても。

愛は、ちゃんと繋がっていた。

 





──────終
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