第10章 優しさ
その痛みすら、彼に刻まれる悦びに変わっていく。
悟「嫌なら、泣いて良いんだよ? 逃げ出したって、追いかける。……何回でも、何度でも、こうやって繋いでやる。」
膝の裏に手を差し入れられ、無理やり脚を開かされる。
後ろから突き上げられる角度が変わって奥に触れられるたび、喉の奥からくぐもった声が漏れた。
「っ、ぁ……はっ……や、悟……っ。」
悟「悟“だけ”ね。他の名前なんか、口にしたらどうなるか分かってるでしょ?」
舌先で耳をなぞられ甘噛みされると、呼吸が浅くなる。
触れられている箇所すべてが敏感になっていて、肌がぴくりと跳ねる。
悟「……全部、僕のもの。オマエの声も、汗も、涙も。どこにも渡さない。全部、僕でいっぱいにしてやる。」