第9章 誰にも触れさせない
腕の中に閉じ込められ、ベッドに押し倒される。
上から降り注ぐ悟の視線は、愛情などという生ぬるいものではない。
独占と支配、焼け付くような欲望。
それだけが剥き出しになっていた。
悟「怖い?……でも、止めないよ。止まれるわけがないだろ、今の僕が。」
制服のボタンが勢いよく引きちぎられる。
肌に触れる手のひらは冷たいのに、指先だけが火傷しそうに熱い。
悟「どこに触られたの。あの男の手が、オマエのどこを這ったか、言ってみろ。」
低く囁く声と共に、爪を立てるようにして太ももを撫でられる。
口を閉ざしたままのみみに悟の指が滑り込み、抵抗を封じ込めるように動きを与える。
悟「答えない?……なら、僕が全部聞き出す。身体に、訊くよ。」
指先が敏感な部分をなぞりながら、執拗に快感を植え付けてくる。
頭が痺れて、唇から漏れる声を押し殺すのがやっとだった。
けれど――
悟「黙るな。声、出せ。僕がどれだけ苛立ってるか、分からせてやる。」
腰を掴まれ、身体を翻される。
背後から深く突き上げられた瞬間、堪えていた声がこぼれ落ちた。
「っ……あ、あっ……!」
悟「それで良い。ちゃんと僕のものになれ。」
吐息が首筋に落ちるたび、震えが背骨を走った。
理性なんてとっくに溶かされて、あるのは快楽の奔流だけ。
執拗なほど激しい律動が、みみの奥深くをかき乱していく。
悟「……何回だって教えてやるよ。オマエの身体は、僕のもんだってことを。」