第8章 抗えない夜
甚爾は腰を打ちつけるたび、奥をえぐるように動く。
それは愛撫というより支配。
征服の動きだった。
甚「オマエが何に怯えてたのか考えられねぇくらい、ぐちゃぐちゃにしてやるよ。」
彼女の脚を肩にかけ、体勢を変えてさらに奥へ突く。
ずんっ、ずんっと膣奥に衝撃が届くたび子宮が押し上げられるような感覚に涙が滲む。
「やっ、やだ、そんなとこ……っ!」
甚「嫌がってんのに、こっちは締めつけてきてんぞ?」
彼女は羞恥に顔を背けるが、甚爾はその顎を掴んで正面に向かせる。
甚「泣くな。泣くくらい気持ち良いってことだろ?」
彼の腰は止まらない。
繋がったまま彼女を引き起こし、背中を壁に預けさせた体勢でさらに激しく突き込む。
「あ、っ、だめっ、だめぇ……!」
甚「何がダメなんだ? 俺に犯されながら、そんな顔して……ぜんぶ忘れさせてやるって言ってんだよ。」
限界まで煽るような激しさで突き続けられ、彼女の身体は完全に甚爾に屈服していた。
声が、熱が、汗が、ふたりの間に絡みつく。
甚「……出すぞ、中に。」
彼の言葉に、彼女は首を振る余裕すらなかった。
ただ絶頂の波に呑まれ、わずかに腰を震わせることしかできない。
ずぷっ、と一際深く突き込んだその瞬間――
熱が、奥に注がれる。
「あっ、ああああ……っ!」
その瞬間、彼女の身体も絶頂を迎える。
痙攣する膣が甚爾のものを締めつけ、彼の息が荒くなる。
しばしの静寂の中、彼はまだ中にいるまま彼女の耳元に唇を寄せた。
甚「……なぁ。まだ、忘れきれてねぇだろ?」
その声に、彼女の目からまた涙がひとすじこぼれた。
だがその涙は、さっきよりずっと――
柔らかかった。