第8章 抗えない夜
彼女の目を真正面から捉えたまま、彼はもう1度唇を重ねた。
舌が唇を割り、奥へと侵入する。
先ほどよりも激しく、容赦なく舌を絡め取る。
甚「全部、ぶっ壊してやる。」
そう言って彼は彼女の両手首を頭上で縛るように掴み、ベッドのフレームに押し付けた。
身動きを封じられた状態で、彼女は無防備に晒される。
「……甚爾、まって――っ。」
甚「待たねぇ。」
彼は笑いもせず、ただ真剣に彼女の首筋に噛みついた。
歯が食い込む。
強く、痛みを伴うほどに。
けれど、その痛みが奇妙な熱となって彼女の下腹に落ちていく。
胸元に大きな手が滑り込み、ぐしゃりと柔らかな膨らみを鷲掴みにする。
甚「ここ、まだ敏感だな。さっきあれだけ啼いたのに。」
彼の親指が乳首を押しつぶすように捻る。
ピンと硬くなった頂点に彼は指を舌に変え、じっくりと嬲りはじめた。
「んっ……ぁ、あっ……やっ……!」
快感が、さっきよりも深く鋭く身体に刻まれていく。
片方の乳房をしゃぶりながら、もう片方は容赦なく揉みしだかれる。
目の前が滲みそうになる中、彼女は縋るように甚爾を見上げた。
「……壊すって……どう、する気……?」
その問いに、甚爾は微かに笑い、腰のあたりで既に張り詰めている自身を彼女の太腿にこすりつけた。
甚「こうやって、オマエの中で俺の形、覚えさせる。」
ずぶり――
と、一気に突き込まれる。
声にならない声が喉を震わせた。
あまりに深く、強く容赦のない挿入だった。
「っっ、あ、あぁ……!」
ベッドが軋む音が室内に響く。