第1章 転生と閉じ込め
絶頂が重なるように訪れた。
みみの身体は硬直し甚爾の奥で脈打つものを感じながら、涙を浮かべたまま絶え絶えに喘いだ。
そして——
不意に、部屋の天井から機械音のような音が響いた。
カチリ。
鉄扉が、わずかに開いた。
甚「……マジで、やったら開くんだな。」
「うそ……こんな、ことで……。」
甚「変な空間だ。だが、悪くねぇ。……もう1発、いけるか?」
「えっ……。」
笑う甚爾が、再びみみをベッドに押し倒した。
閉じ込められていたはずの部屋。
その扉は今、開かれていた。
それでも、みみは動けなかった。
いや、動きたくなかった。
現実よりも濃密な彼の熱の中で、みみは自分が“転生”してきた理由を、初めて理解した気がした——
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扉が開いた先に広がっていたのは、長い無機質な廊下だった。
無音。
足音すら吸い込まれそうな静寂の中を、甚爾とみみは歩く。
そして——
甚「……また、かよ。」
甚爾が吐き捨てるように言ったその先には、再び鉄の扉。
その隣には小さなパネルがあり、1枚のメモ用紙のようなものが刺さっていた。
みみが震える手で手に取ると、今度は前よりも明確な文字が刻まれていた。
【この部屋では玩具を使用した性行為が達成されなければ扉は開かれない。肉体のみの接触は“無効”と判定される。】
「……ふざけてる……!」
彼女が吐き捨てるように言うのも無理はない。
羞恥を押し殺してようやく扉を抜けたというのに、また新たな“試練”が待ち受けているとは。
だが甚爾は黙ってその紙を覗き込み、一言だけ言った。
甚「……まだ、名前を聞いてなかったな。」
「えっ……?」
みみが顔を上げると、彼の瞳が真っ直ぐに射抜いてくる。
先ほどとは違う。
どこか深く、探るような眼差しだった。