第6章 静寂を裂く朝
けれどその直後だった。
悠「……みみ、ちょっと良い?」
背後から声をかけてきたのは――
虎杖悠仁だった。
彼はどこか思いつめた表情で、笑みすら浮かべていなかった。
悠「部屋……来てくれる?」
それは、拒否できない声だった。
悠仁の部屋は、風通しの良い角部屋だった。
ベッドと勉強机、棚に並ぶ漫画とポスター。彼の人柄がそのまま現れているような、清潔感のある空間だった。
悠「そこ、座って。」
促されてベッドの端に腰を下ろすと彼も静かに机の前の椅子に腰をかけ、真正面からみみを見た。
悠「……ごめん。いきなり呼び出して。」
「ううん。気にしてないよ。」