第3章 緊張感
ぞくりと背筋が震える。
悟「“守ってやる”って、言ったよな。何度も。」
「言った……でも、これは……。」
悟「じゃあ、僕に頼れよ。オマエが“穢された”って思うなら、僕が“戻して”やる。」
悟の手が女のシャツをすべて脱がせると露わになった肌に、迷いもなく口づけを落とし始めた。
優しさなんて微塵もない。
けれど、そこには確かに――
支配欲と、執着が滲んでいた。
悟「僕以外に触れさせるな。宿儺だろうが、甚爾だろうが、悠仁だろうが――関係ない。」
「……さとる、苦しいよ……やめて……。」
悟「……だめ。昨日の続きを、僕で上書きするまで。……オマエの全部、僕のもんにするから。」
女の脚がベッドに押しつけられ、悟がゆっくりと覆い被さる。
彼の指が、身体の奥深くへと触れてくる。
悟「嫌なら、抵抗してみろよ。術式でも爪でも、噛みついてでも……。」
「……できない。」
悟「だろ?」
彼が笑う。
その笑顔は、いつもの飄々とした教師のものではなかった。
独占欲に溺れた、ただの1人の男の顔だった。
悟「好きだから、苦しい。好きだから、壊したくなる。」
女の唇を塞いだ口づけは熱く深く、支配的だった。
宿儺が残した痕は、悟の熱で焼き潰されていく。
ただ、快楽に塗れて消えるわけではない。
そこに込められたのは激情と、確かな愛情の名残だった。
――もう、戻れない。
そう思いながらも女は悟の名を、かすれた声で呼び続けた。