第16章 交差する衝動
甚「ほら、力抜け。俺しか見んなよ。」
乳首が口内に含まれ、舌で転がされる。
片方の乳房を吸われながら、もう片方は指でじっくりと刺激される。
その動きは意外にも丁寧で、女の中に残っていた不安を少しずつ溶かしていく。
下腹部がきゅう、と疼いた。
女は思わず腿を閉じるが甚爾の大きな手が膝裏に回り、そっと開かせる。
甚「触っても良いか?」
その問いに、女は無言のまま頷いた。
彼の指が、パンツの上からそっと撫でる。
そこはすでに、わずかに湿り気を帯びていた。
甚「……濡れてる。やっぱり、感じてたんだな。」
「ち、違……っ、くない……。」
否定しようとした声が、最後には肯定に変わる。
彼の指先がパンツの隙間から滑り込み柔らかな秘所に直接触れると、女の体がぴくんと跳ねた。
くちゅ、くちゅ、と濡れた音が響く。
室内に響くそれは、あまりにも淫靡だったが耳に心地よくさえ感じてしまう。
甚「ここ、こんなに柔らかい。……奥まで、ぬるぬるしてる。」
恥ずかしい言葉に頬を染めながらも、女は彼の指を拒めなかった。
むしろ、腰が彼の動きに合わせてわずかに揺れている。
やがて、甚爾の唇が再び落ちてくる。
今度は口づけではなく女の太腿を伝い、ゆっくりと秘所へと降りていった。
「あ……っ、そこ、や……。」
甚「オマエの声、もっと聞かせろ。全部、俺が癒してやるから。」
男の舌が、ぬめるように敏感な蕾を舐め上げる。
女の指がシーツをきゅっと掴み、腰が思わず浮いた。
ぬる、ぴちゃ、と音を立てて舌が動き指が中へと挿し込まれる。
唇と舌と指、すべてを巧みに使って女の体を何度も絶頂へと導いていく。
「ひっ、や、だめ……もうっ……。」