第14章 交錯する夜
恵の指が這っていた痕跡の上をなぞり返すように。
まるで、上書きするように。
悟「僕が触れてたとこ、まだ熱残ってるね。……恵、どうする?」
悟は視線を向ける。
立ち尽くしていた伏黒恵が、その言葉にぴくりと肩を動かした。
恵「……何を、言ってるんですか。」
悟「まだ途中だったんだろ? 最後までさせてあげなよ。僕も、一緒に見るから。」
そう囁いて悟はみみの背後から身体を預け、首筋にキスを落とした。
まるで、自分の存在を刻みつけるように。
「……いや、やめて、そんなこと……っ。」
みみが身体を震わせる。
だが、悟の腕は背中から回り込んで、しっかりと彼女を抱き締めた。
逃げられない。
それは愛撫でも優しさでもなく、所有の証。
悟「逃げないで。ねえ、みみ……感じてるくせに、震えてるのはどっち?」
耳元で囁かれた声に彼女は首を振りながらも、呼吸が浅くなるのを止められなかった。
内ももが擦れ、恥ずかしいほどの熱が滲む。