第13章 籠の中の鳥
その夜も部屋の空気はどこか重く、湿っていた。
窓は閉じているはずなのに、熱が逃げない。
汗ばんだ寝巻が肌に貼り付き、微かな刺激が全身に伝わってくる。
「……はぁ……あつ……い……。」
何もしていないのに、鼓動が速い。
指先が熱を帯び、下腹が疼く。
脚を閉じて寝返りを打っても、シーツの感触が敏感な肌を刺激して──
かえって苦しくなった。
「だめ……落ち着かなきゃ……っ。」
枕に顔を押しつけて息を吐く。
けれど、脳裏に蘇るのは──
あの呪霊の指、舌、熱。
宿儺に救われた瞬間の膣奥で痙攣した残像すら、感覚の奥から這い出してくる。
「もう……やだ……。」
下腹の奥がきゅうっと締めつけられる感覚に、脚が震える。
目をつぶっても、視界が霞んで熱い。