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転生したら呪術廻戦の世界でした

第2章 葛藤


見せられたのは、容赦のない殺意。

そして——

彼女に向けられた、異様なまでの執着。

甚爾は呪具を振り払って血を落としながら、無言で彼女の前に立った。

甚「……怖がってるか?」

静かな声。

だが、どこか傷ついたような色が混じっていた。

みみは小さく首を横に振る。

「……怖くない。でも……。」

彼の顔を見上げた。

先ほどまで、何度も快楽に身を任せていた相手。

けれど今は、その目があまりにも真っ直ぐで彼女だけを見つめているのが分かった。

「私を、守ってくれたんだよね……?」

甚「当たり前だ。」

彼はきっぱりと言った。

まるでそれ以外に選択肢などなかったかのように。

甚「オマエを奪おうとする奴は、皆殺しにする。それが誰でも関係ねぇ。」

その言葉に、みみの胸がぎゅっと締めつけられた。

独善的で暴力的で、けれどひどくまっすぐな愛し方。

——転生して、最初に触れた男がこの人で良かった。

「甚爾さん……ありがとう。」

小さな声でそう呟いた瞬間、彼はぐっと腕を引き、みみの身体を強く抱き締めた。

甚「……名前、呼べ。」

「え……?」

甚「もう1度……俺の名前、呼べ。ちゃんと、女の声で。」

その低く熱を帯びた囁きに、みみは赤く染まった頬のまま静かに言った。

「……甚爾さん……。」

甚「そうだ……オマエは、もう俺のもんだ。」

腕の中で囁かれるその声は、どこか獣のように甘く支配的だった。

そして、彼は彼女の耳元にもう1度囁いた。

甚「……次、部屋があっても誰にも触れさせねぇ。何があっても……オマエは俺だけに啼いてろ。」

その言葉と共に、2人はまた次の扉へと足を踏み入れる。

血と快楽、支配と愛欲。

すべてを飲み込むような“閉鎖空間”の旅は、終わるどころか、より深く淫靡に沈み込んでいくのだった——。
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