第2章 葛藤
“執着”が宿っていた。
甚「テメェみたいな雑魚が、アイツを“研究”だ?笑わせんな。——その前に、死ね。」
一瞬、甚爾の姿が掻き消える。
博士の背後に回ったと思った瞬間、膝が砕かれ白衣が裂け喉元に呪具が当てられていた。
博「や、やめ、待て……私はデータを……貴重なサンプルを……!」
甚「その“サンプル”は、俺のもんだ。死んでも渡すか。」
ドシュッ。
鮮やかに静かに、博士の首が切り落とされた。
血の噴水のような音さえもなく、ただ崩れるように男の身体は床に沈んだ。
みみは息を呑んだまま立ち尽くしていた。