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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 離れゆく心


「ふらついとるで、おんぶしよか?」


「大丈夫です…。」


おんぶなんて、そんな恥ずかしいこと、人前でなんて出来ない。


そのまま自分で歩いて副隊長の家に辿り着いた。

あれ、なんで副隊長の家に来てるんだっけ…とボーッと考える。


真っ直ぐベッドまで連れてこられて、買い物をしてくるからと彼が出ていった扉を見つめた。

寂しいな…。


布団を引き寄せて匂いを嗅ぎ、好きな人に包まれている感覚になる。

鼻が効いていてよかった。


ぎゅうと布団を抱き締めて顔を埋めた。

優しくて爽やかな匂い…セックスをしている時は普段とは少し違う匂いがする。

どっちも好き…全部好き。


どのくらいかすると玄関から音がして、そのままリビングまでの足音を聞き、なかなか来ない彼に寂しさを感じて、自分で彼の元へ向かう。

リビングに行くとキッチンにいる彼を見つけて、何も言わずに隊服を剥ぎ取った。


「え、ちょ…どしたん?」


今まで着ていた隊服ならもっと匂いがするかもしれない。

頭から掛けてその匂いに包まれるとドキドキする。

ボーッとする頭では、変態過ぎる自身の行動を恥ずかしいとも思わなかった。


そのまま隊服を抱き締めてソファに身体を預けた。


「えぇ…意味わからんのやけど…。」


ずっと抱き締めていれば自身の匂いで匂いがわからなくなる。

もう一度副隊長のところに行き、インナーに触れた。


「脱いでください。」


「え…なんで?」


嫌やと言うので、インナーを脱がせるのが面倒で、ベルトを外しズボンを足首まで下げた。


「ちょ、待ちぃ!なんやの?何がしたいん?」


ソファに置いてきた隊服を持ってきて肩に掛ける。


「交換です。」


「いや、なんで?」


足首まで下ろしていたズボンが腰まで上がっていたので、もう一度下ろして引っ張ると、足を上げてくれる。

脱がしたズボンを持ってソファに横になった。


わけわからんとぶつぶつと呟いている彼は無視した。

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