第16章 エピローグ
「実宗〜おばあちゃんに抱っこしてもらうんだよ、嬉しいね〜。」
今日は私と宗四郎と…実宗の結婚式。
私たちの結婚式はパパママ婚になった。
実宗はお義母さんに抱っこしてもらうのが大好きなようで、母親の面目がない。
「璃沙はこっちおいで。」
「は〜い。」
式が始まる前、宗四郎と控え室で2人きりになる。
駆け寄ると両手を握られて額が合わさった。
瞼から覗く赤紫に真っ直ぐ見つめられる。
「今までいっぱい辛い思いさせてごめんな。やから、もう辛い思いなんてさせへん。璃沙と僕と実宗…これから何人家族が増えるかわからんけど、ずーっと家族みんなで生きてこな。どんな時も一緒や。愛しとる。」
宗四郎の瞳を見つめながらだんだんと視界が歪んでいく。
「もぉ、式の前に泣かせないでぇ…私も宗四郎のこと愛してる。絶対に一人にはさせない、ずっと一緒。」
「ははっ、泣かんで!僕は君を笑顔にさせる為に生きとるから。ウェディングドレス姿、一生忘れへん。」
笑い合って、宗四郎は先に式場へ向かった。
亜白隊長と一緒にヴァージンロードを歩き、愛しい彼の元へと真っ直ぐ進む。
私たちは神様の前で永遠の愛を誓い、一生忘れられないキスをした。
未来の為に -完-