第11章 離れゆく心
立川に着いて仮眠室で休もうと思ったら、璃子もついてくる。
なんでついてくるんや…。
空いている部屋の扉を開けて、閉めた。
なんや、今の…は?鍵開いとるやん。なんで服着てないん?
幻覚かと思い、もう一度開けてみる。
やっぱおる…!え、どないしよ…鍵せんと…あんなん見たら男なんて速攻で襲ってまう!
「宗四郎くん?どうしたの?」
「いや…なんでもない。はよ部屋入り。」
一緒の部屋にすると言う彼女を無理やり別の部屋に押し込み、もう一度あの部屋の扉の前に立つ。
鍵…鍵せなあかんから…それだけや。
中に入って鍵を掛け、とりあえず布団を掛けようと思ったが、布団が尻の下にある。
これはどういう状況や?なんで下着姿の璃沙がおる?いや、おるんは当たり前やけど。
鍵も掛けずに下着姿になっている彼女を見て混乱してしまった。
鍵と下着姿は百歩譲ろう、めちゃくちゃ足開いとる。
ちょっとでも下着がズレれば毛が見えそう…。
「神谷、起き?そないな格好で鍵も掛けんと、おるもんやない……起きろや。」
軽く肩を揺すったが起きなかった。
「ん…あ…あつい……。」
「暑い?」
別に暑くはないが…なんか夢でも見とるんか?
それよりも、好きな女が下着姿で足を広げて無防備で寝てる方が、どれだけクるかわかっているんだろうか。
「……君が悪いんや…。」