第11章 離れゆく心
璃子と一緒に有明基地の近くまで来たが、相談があると言った彼女は、特に何か相談するでもなく喋り続ける。
「ねぇ宗四郎くん、璃沙と別れたんでしょ?久しぶりにしない?というか、私と付き合わない?」
「え〜なに言うとんの。付き合わんし、せぇへん。別れた理由聞いとらんの?」
明るい性格は好ましいが、この姉は何故こんなことが言えるのだろう。
どう見ても先程の璃沙は、姉を行かせまいと必死だったじゃないか。
「嫌いになって別れたんやない、ナンバーズ着ることなったし、泣かせたないから別れたんや。何あるかわからんしな。ちゃんと気持ち伝えたし。」
なに?と聞かれたのでそう返すと気持ち?とまた聞いてくる。
「好きやって、愛しとるって…君しか愛せへん言うたし。」
「ひっど〜!振った相手に言う?忘れられなくなるじゃん。」
「忘れてもらったら困る。他の男ともさせへん。そのうち迎えに行くからなぁ。」
こわーいと明るく言う彼女に僕は笑った。
散々甘い言葉吐いたし、璃沙のあの感じやと、誰ともせぇへんやろ。
我ながら酷い男だとは思うが、ナンバーズを使用したまま無事に引退出来たら、璃沙と一緒になりたい。
目的地まで来て、璃子には車の中で待つよう言って外に出る。
カフカに会いちょっと揶揄ってから龍寧神社に向かった。
璃子がいることに驚いていた。
龍寧神社に着き、少し話してから遊んでやった。
いや、ちょっと稽古つけてやったんや。
いつかここに、彼女の璃沙を連れてきたい。
普通のデートくらいの軽いものでええから。
車に戻りカフカを有明基地で降ろして、また車を走らせる。
「ほんで、相談ってなんや。」
「え?……あー、別にないよ?強いて言えば、えっちしよ?付き合お?」
「はぁ…相談言うから連れてきたんに…璃沙連れてきたらよかった。」
本音漏れてるよと指摘されたが、特に気にはしなかった。