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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第10章 悲しみの中で


会議室まで案内され、やっと会議が始まろうとしている。

…が、どうしてこうも隊長同士は仲が悪いのだろう。


伊丹新長官の言葉で保科副隊長が10号から得た情報を話し始める。

10号は9号が作り出した為、強力な個体を生み出す能力があるのだろうと推測される。


10号は試作品、もしあれ以上の力を持った完成品が何体も同時に現れたらどう対処したらいいかわからない。


「部隊の垣根を超えて協力し合わなければ、この国は滅びます。」


9号がどこに潜んでいるかもわからない、そして…四ノ宮長官を取り込んだことで、こちらの戦力を把握された可能性がある。

なので、次に9号が動き出すまでの数ヶ月でどれだけ想定外、現在主力ではない奴の戦力換算外にある存在の育成が必要だ。


「未熟で不完全。故に最も短期間で大きく化ける"伸び代"を秘めた者たち…若き才能たちの成長が鍵です。」


その中の市川レノという、第3部隊所属、現在は松本基地で預かってもらっている新人隊員が、かつての怪獣の王、6号兵器への同調の兆しを見せている。

もし彼が6号兵器と同調出来れば、相当な戦力となるだろう。


まあそんな内容の会議だったが、ほとんど保科副隊長が言っていたことで、私自身はあまり理解出来ていない。

9号を倒すには新人の成長と6号兵器を使えるようになればいい、ということだけわかった。


「神谷、ちゃんと聞いとったか?ボーッとしとったけど。」


「はい、もっともっと強くなればいいってことですね。」


間違うてはないけど…と溜め息をつく保科副隊長を見つめ、すぐに目を逸らした。

これ以上見ていたら泣いてしまう、いつになったら平気になるのだろう。

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