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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第10章 悲しみの中で


執務室で作業をしていると行くでと小隊長らと連れられていく。

小隊長たちはなんなのか知っているようだが、私は知らない。
どこに行くのだろう。


隊の車両の中で揺られながら辿り着いた場所で、口をぽかんと開けたまま呆ける。

教えてくれてもよかっただろう…有明に来るのなら。

恐らく、前に言っていた対9号対策特化の師団会議をするのだろう。


私たちが基地内に入ると、鳴海隊長を筆頭に第1部隊の隊員たちと睨み合いになる。

これ、始まるな。


「保科ぁ、ワレ、誰の許可取ってワシのナワバリに足踏み入れとんのじゃあ。」


「これはこれは、鳴海隊長自らお出迎えとは、ご大層で。」


保科副隊長と鳴海隊長が、いや…保科副隊長が煽りまくっている。

そのおかげで隊員たちも言い争いになってしまった。


「だいたい、なんの為に身を引いたと思ってる。」


「なんの話ですか?」


「そうかそうか。璃沙、ボクの権限で君を第1に戻してやるぞ。」


手を引かれて後ろから肩を抱かれる。

そういうことか…戻る気はないのですが。


「私はほし…わっ!」


今度は保科副隊長に手を引かれて背中に隠された。

なんなんだ、この2人は…。


「うちの隊員に手ぇ出さんでもらえますか?亜白隊長にお仕置されるんで。」


鳴海隊長ははぁあっ!?と大声を上げて怒っている。

どう考えても独占欲だろという言葉に副隊長は何も答えなかった。


「私は保科副隊長の下じゃないと強くなれないのです。戻るつもりはありません。」


その時、パァン!!といい音がして、鳴海隊長は長谷川副隊長にハリセンで叩かれていた。

よかった、彼がいればこの争いも終わるだろう。

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