第10章 悲しみの中で
宗四郎はずっとそれを繰り返して、朝のアラームが鳴った。
嘘でしょ、何時間やって…。
すぐにアラームを止めて、私の膝を掴んだままヘッドボードに置いていた通信機を耳につける。
「っ、はぁ…小此木ちゃん、ぅあ…僕と神谷、今日遅れるわっ…伝えといてくれ、ぁ……大丈夫やから、ちょっとやることあるだけや。っ、ぁあっ…。」
それだけ伝えると通信機を戻して、抽挿を再開した。
もう日付け変わってるよ?昨日、明日なったら終わりって言ってたのに…。
「そ、しろ…おねが、イって…!そんな我慢したら…んあっ…!ダメだよっ!」
射精を我慢するのはダメなはず…身体に悪い。
「ややっ!これ出したら、絶対もう勃たんっ!あ、っ…それに、セックス終わるまでは、君は僕の彼女や!」
彼はナンバーズを選ばなければいけない状況で、立場で…ずっと悩んでいたんだろう。
よりを戻してまで手に入れた私をどうするか…。
彼の喘ぎが大きくなったタイミングで膣に力を入れた。
「は?あっ、うっ…!……はぁ、はぁ…嫌や…なんでそないなことするん?」
「……このまま一緒にいよう?はぁ、はぁ…別れる必要なんてない…ぁ、いよっ?死なせないから、守るからっ!」
彼よりも弱い私が守れるはずなんてないだろうけど、それでも出来ることは何でもして、彼の傍にいたい。
射精した彼は避妊具の処理をし、寝室を出ていく。
あれ…避妊具は大丈夫だったんだろうか…。
重い身体を起こして宗四郎の後をついていった。
足に力が入らない。
シャワーを浴びているようだ。
私も浴室に入って、その背中に抱きついた。
「離せ。僕らはもうそんな関係やない。」
先程とは比べ物にらない程低い声に一瞬戸惑ったが、より一層、腕に力を込めた。
だけど、彼の意志は変えられなかった。