第10章 悲しみの中で
「僕まだやることあんねんけど。」
急ぎのものは全て終わらせているのを知ってる。
手を引けば大人しくついてくるので宗四郎の家に来て、鍵を開けるよう促す。
「好きにしていいって言ったでしょ。」
開かれた扉の中に吸い込まれるように入っていき、真っ直ぐ寝室まで来た。
そのまま彼をベッドに押し倒して、その腰に跨る。
「お姉ちゃんを抱くくらいなら私を抱いて。女なら誰でもいいんでしょ。」
「……君は無理や。」
ずっと…ずっと涙が止まらない。
どうしてそんなに頑ななの。
「後悔しない?前みたいに付き纏ったりしない?」
「するわけないやろ。」
ダメと言って服を脱がしていく。
隊服も下着も全部脱がせて、私も全て脱いだ。
そのまま彼の胸に倒れて体温を感じる。
今度は私が頑張る番なの?
あなたがいなきゃ、私の夢は叶わない。
私の夢…そうだ、子供が出来てしまえば…。
起き上がって縮こまったままの彼の中心に手を這わせる。
口に含んで唾液を絡ませながら舌で刺激していると、だんだんと大きくなって完全に勃ち上がった。
また腰に跨って膣口にあてがう。
「慣らせ。ゴムもつけろ。」
無視してそのまま腰を沈めていく。
痛い…何ヶ月もしていないから余計痛みを感じる。
どこを見ているかわからない彼の糸目を見つめながら、久しぶりに感じた彼の質量や熱を搾り取るように膣を伸縮させた。
大丈夫、濡れてきた。
くねくねと腰を動かし慣れてきた頃、腰を上げてお尻がつくまで落とす。
それを何度も繰り返して、吐息混じりに吐き出される彼の甘い声を必死に聞いた。
「イ、く…抜きや…。」
腰を掴んだ彼の手を無理やり引き剥がして、指を絡めて捕まえた。
宗四郎は溜め息をついて身体を動かし、上になって激しく律動をしてから自身を抜き、ナカに欲しかったソレは虚しくお腹に吐き出された。