第10章 悲しみの中で
「ちょっと、ちょっとだけやから…。」
熱を孕んだ瞳を隠さず足の間に膝を入れて、体重をかけないように私を挟んで手をついた彼は、太腿に硬い自身を擦り付けた。
そんなことするくらい限界に近付いているのだろうか。
「っ、はぁ…したい、ん…ほんまにしたい…おかしなりそ…。」
こんなの見せつけられたら私まで我慢出来なくなるじゃないか。
熱い吐息を漏らしながら腰を揺らし続ける彼から目を逸らしたいのに逸らせない。
愛しい…この人が愛しくて愛しくて、穿かれたい。
もう3ヶ月近くもしていないのだろう、よくないよ?
ずっと擦り続ける彼を止めることはしかなった。
イく…と呟いた彼に驚き、慌ててティッシュを探すがどうにも出来ず間に合わなかった。
「っ、あっ…璃沙っ、好き…好きや!…っ、うっ!」
快感で歪ませた顔を伏せて肩で息をしている。
「はぁ…あかん、僕だけイってもうた……許してや?」
息を整えて上がってきた彼は腰に跨り、顔の真上で舌を出した。
その舌先を通って唾液が零れてくるので慌てて口を開けると、一瞬で目の前まで迫ってきて塞がれた口を閉じることが出来ない。
舌を絡め取られ、口内をぐちゃぐちゃにされる。
下着の中身はどうするつもりなのか…。
というか、私まで下着が…。
「ん、おわっ…んっ、っ…まっ、んぅ…。」
どうにかやめさせたくて角度を変える度に訴えるが、全然やめてくれない。
これ以上されたら…我慢出来なくなる。
抵抗出来ないが辛い。
やっと離れた唇はだらしなく開いたままになる。
「ん、めっちゃえろい顔しとる…出来んのにごめんな。ゆっくり休んどき、時間なったら起こす。」
歪んだ視界で彼をボーッと見つめ、目を閉じた。