第10章 悲しみの中で
「ほな、そろそろ休憩やから、僕ら行くな?」
肋に負担がかからないよう腰を持って立たせられ、執務室を出て仮眠室に向かう。
肋の方はそこまで酷くないので、変な動きをしなければ基本大丈夫だ。
だが、休憩の時には必ず仮眠室に連れて来られて、横になって休めと言われる。
仮眠室に入り横になると、唇が重なった。
「あーはよ抱きたい。ちゅってするだけのキスでも勃ってまう。」
ならしない方がよかったのでは?
いやでも、肋がそんなに痛くないのなら出来るのでは?
「何もしなくていいなら、していいよ。」
「アホか、バカか!揺らしたら痛いやろ!」
あなたのことを考えて言ったのに…いや、私のことも考えてくれているのはわかっている。
じゃあこっち…と軽く舌を出した。
「っ…うっ……せぇへん!せめて後1ヶ月はせぇへん!」
今めっちゃ悩んでたよね、抑え込んでたよね。
防衛隊の技術があればそんなかからないと思うのだけれど。
というか、1人でしないのだろうか。
1人でしてるとこを見たいなんて言わないから、あまり溜めて欲しくはない。
次する時が怖い…。
「宗四郎、好きだよ。」
「……もぉあかんて!!今言われたら我慢出来へん…僕も好きなんやからな!君よりも好きなんやから!!」
えぇ…私の方が好きだし……というのは言わずに、好きと言われたことが嬉しくて頬が緩む。