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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 心は傍に


宗四郎が作ってくれたご飯を前にどうしようかと考える。


「あーんしたる。」


これは…どうしたものか。

当分1人では何も出来ない、毎回彼に助けてもらうわけにもいかない。

大怪獣相手でも、こんな怪我をすることなく討伐出来るようになりたい。


結局食べさせてもらいお礼を言う。


「ええよ、なんも苦労やない。むしろ、嬉しいんや。僕に世話されるいうことは、僕から離れらへんちゅーことやん?」


本当、優しいなぁ。


ご飯を食べ終わりテレビを見ていると名前を呼ばれ見ると、すぐ目の前に睫毛があって唇が触れている。

そのまま頬を持たれ、唇の隙間に舌を割り込んできた。


舌先に触れ、ちょんちょんと確かめるように優しく刺激すると、グッと唇を押し付けられ、激しく舌が絡んだ。

このキスは今はやめて欲しい…欲しくなる。


水音が口の中で響き鼓膜を震わせる。


胸に指が触れ心臓の位置をふにふにと押してきた。


糸を引きながら舌が離れ、とろんとなった目で宗四郎を見つめる。


「ずっとここに僕がおった?」


頷くと僕もと笑う。


「もしこれから先離れたとしても、ここだけはずっと傍におるから。好きやよ、ほんまに愛してんで。」


「うん、私も好き…愛してる。」


あの時届かなかった言葉が今度こそは届いたようだ。


私の心はいつもあなたの傍にある。

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