第9章 心は傍に
宗四郎が作ってくれたご飯を前にどうしようかと考える。
「あーんしたる。」
これは…どうしたものか。
当分1人では何も出来ない、毎回彼に助けてもらうわけにもいかない。
大怪獣相手でも、こんな怪我をすることなく討伐出来るようになりたい。
結局食べさせてもらいお礼を言う。
「ええよ、なんも苦労やない。むしろ、嬉しいんや。僕に世話されるいうことは、僕から離れらへんちゅーことやん?」
本当、優しいなぁ。
ご飯を食べ終わりテレビを見ていると名前を呼ばれ見ると、すぐ目の前に睫毛があって唇が触れている。
そのまま頬を持たれ、唇の隙間に舌を割り込んできた。
舌先に触れ、ちょんちょんと確かめるように優しく刺激すると、グッと唇を押し付けられ、激しく舌が絡んだ。
このキスは今はやめて欲しい…欲しくなる。
水音が口の中で響き鼓膜を震わせる。
胸に指が触れ心臓の位置をふにふにと押してきた。
糸を引きながら舌が離れ、とろんとなった目で宗四郎を見つめる。
「ずっとここに僕がおった?」
頷くと僕もと笑う。
「もしこれから先離れたとしても、ここだけはずっと傍におるから。好きやよ、ほんまに愛してんで。」
「うん、私も好き…愛してる。」
あの時届かなかった言葉が今度こそは届いたようだ。
私の心はいつもあなたの傍にある。